脱炭素社会の実現

基本的な考え方

近年、アパレル産業の環境への負の側面がクローズアップされており、CO2排出量は全産業の約10%を占めるといわれています。一方で地球温暖化は喫緊の課題であり、パリ協定で約束された1.5%目標の達成に向けて、われわれの産業でも積極的な対応が必要です。
ゴールドウイングループでは、私たちのフィールドを守り、フィールドでの活動を続けるために、気候変動が事業活動に与える影響を科学的シナリオに基づき分析し、事業活動に伴う温室効果ガスを削減する中期経営計画を策定しています。

環境重要課題

当社グループではかねてより、主要事業所におけるエネルギー消費量の削減とCO2の排出量削減に取り組んできました。これらの取り組みを一層進め、サプライチェーン全体でのCO2削減に取り組むために、新たに策定した中期経営計画のなかで、重要課題の一つとして「脱炭素社会の実現」を設定しました。サプライヤーとの連携を強化し、化石燃料に頼らない原材料の調達と共に、カーボンニュートラル達成を目指しています。
また、代表取締役社長が委員長を務める「EMS推進委員会」を中心に脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めています。EMS推進委員会は事業所ごとの温室効果ガス排出量の実績を毎月管理し、排出量の削減に努めています。また、四半期に一度開催されるESG経営推進委員会でも進捗が報告されます。
2022年度は目標達成に向けて、直営店のエネルギー使用量の把握を進め、GHGプロトコルに基づくScope3の算定準備にも着手しております。

環境改善活動における戦略と具体策

温室効果ガス排出量削減

当社グループは、継続して温室効果ガス排出量の削減を実施しています。国内主要事業所の2022年度の排出量は172 t-CO2でした。2021年度まで排出量の大部分は事業所の電力と一部の空調に用いる重油が占めていましたが、2022年度は重油を削減し、事業所で使用する電力の再生可能エネルギーへの転換さらにしたことで、温室効果ガス排出量は2020年度比86.7%削減となりました。2023年度も事業所で使用する電力を再生可能エネルギーへの転換をすすめることでさらなる削減に取り組みます。

CO2排出量推移(t-CO2)

事業再編のため、2019年度期中の算定対象から染色加工事業が除かれています。

調達物流から排出された温室効果ガス

ゴールドウイングループでは物流に関する温室効果ガスの排出量の把握に取り組んでおり、2022年度は2,747tの排出がありました。また、削減についても同時に取り組んでおり、同量の排出枠を購入しカーボンオフセットを完了しています。

エネルギー使用量の削減

当社グループは、継続してエネルギー使用量の削減に取り組んでいます。国内主要事業所では電力、都市ガス、LPG、A重油、灯油、揮発油、軽油を利用しています。
2022年度は、重油を使用していた空調設備を電力方式に切り替えたため重油の使用量を減らしましたが、新型コロナウイルスが落ち着いたことにより、東京、富山とも社員食堂の利用が増え、都市ガス(構内設備使用分)の使用が増えました。また営業活動における車両使用の機会が増え、自動車使用分の揮発油(ガソリン)使用も増加し、総エネルギー使用量は、合計36,372.2 GJとなりました。2023年度も引き続き省エネルギーに努め、さらなる削減に取り組みます。

エネルギー使用量

単位 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
電力 千kwh 58,796 3,711 3,501 3,502 3,473
都市ガス 構内設備使用分 千㎥ 6.500 5.527 3.192 2.197 3.759
LPG 構内設備使用分 t 1100.0 187.0 6.9 6.7 5.8
A重油 48.4 50.4 50.8 52.0 18.4
揮発油 自動車使用分 25.0 16.0 11.0 18.9 20.3
軽油 自動車使用分 0.980 0.862
総エネルギー 合計 GJ 116,773.5 48,898.9 37,765.5 37,979.9 36,372.2

軽油の使用量は2021年度から計測しています。

エネルギー使用量推移(GJ)

再生可能エネルギーへの転換

当社グループは、温室効果ガス排出量の削減のために、国内主要事業所で使用する電力を再生可能エネルギーに転換し、富山地区の事業所において太陽光パネルによる自家発電システムを導入しました。その結果、2022年度の国内事業所における電力使用量のうち再生可能エネルギーの占める割合は97%と、2020年度の48%から49ポイント上昇しています。今後も事業所で使用する電力を、再生可能エネルギーへ転換することを推進します。

電力使用量(kwh / %)

※国内主要事業所使用量(一部の事業所と店舗は除く)

オゾン層破壊物質の適正管理

当社グループでは、空調機器に充填されているフロン類を、フロン排出抑制法に定められた基準に従い管理しています。2022年度はフロン類の漏洩は確認されませんでした。今後も法を順守し、フロン類の排出抑制に努めていきます。

今後の課題

2022年度は国内事業所での温室効果ガス排出量を計画値以上に削減できました。今後も中長期計画に基づき国内事業所の温室効果ガス排出量を削減していきます。2030年度、2050年度の目標に掲げている直営店、サプライチェーンでの温室効果ガス排出量については、算定を進め、排出量の実態を把握することが今後の課題となります。