サプライチェーン・マネジメント Sustainability

当社グループでは、新規サプライヤーとの取引開始に先がけ、ゴールドウインサプライヤー行動規範やゴールドウイン制限物質管理規定などの当社基準を満たしていることを確認しています。全ての書類を受理確認し、書面監査「適合」評価後に取引を開始しています。2022年度には98社と新規取引を開始しました。

健全なサプライチェーンを構築し、製品の品質向上や、人権・環境・安全などへの取り組みを強化していくため、サプライヤーには書面・実地を組み合わせた監査への協力と、継続的な改善をお願いしています。また、毎年定期的に必要書類の更新を求めています。

一方、社内ではゴールドウインサプライヤー行動規範に関する運用フロー体制を整備し、事業部・商品部及び品質保証部で役割と責任を明確化した管理を行っています。持続可能性に配慮したCSR調達により、当社とサプライヤー双方の企業価値向上を目指します。

2021年度より、当社グループでは取引のある全製造工場への書面監査（セルフチェック報告）と第三者監査員による実地監査を実施し、ゴールドウイングループサプライヤー行動規範で定める法的・社会的・倫理的要件の遵守状況のモニタリングを実施しています。

書面監査は毎年１回一斉に実施され、2022年度は11項目、合計107の質問に対し当社に共有いただいています。また回答結果からリスクを認められたサプライヤーには個別に改善を要請しています。2022年度の書面監査対象企業は348社で、全ての企業から回答を回収しています。

2022年度書面監査実績（348社）

2022年度の書面監査は、2021年度の実績と比べて「指摘あり」の結果が437％増加しました。これは2022年度に設問の一部を改訂・追加したことに加え、2021年12月に策定したゴールドウイングループ人権方針に則り、一部の基準を見直したことが理由です。引き続き、指摘が認められたサプライヤーには、個別に改善を要請し、取り組みを強化していきます。

また、主要製造工場を中心に2022年度までに158社に対する実地監査を行っています。2022年度は初回監査101社、更新監査40社を行いました。引き続き、実地監査を行っていない製造工場への実施、既に実地監査を行っている製造工場へは定期的な更新監査を順次実施し、モニタリング体制の構築を進めています。

実地監査で判明した主な課題は、職場の安全衛生（ミシンのフィンガーガード等の安全装置不備やマスク・手袋・ゴーグル等の安全保護具の不備、建造物化に書類の不備など）が55％、労働及び人権（残業時間の超過や社会保険の一部不備など）が33％となっており、監査結果はサプライヤーへフィードバックされ、是正が必要な工場には是正実施と是正報告書の提出をお願いしています。 2023年度は、書面監査を製造工場に加え商社・管理会社・主力資材関連会社などのサプライヤーにも依頼し、モニタリングの対象拡大を図るとともに、一部のお取引先様には環境データの提供をお願いする取り組みを進めています。 サプライヤーに対しては、年々確認事項が拡大していることへのご理解をいただくとともに、更なる共創関係の構築に向けて、丁寧なご説明を進めています。

当社の事業は、生産現場を動かし、製品・材料等を当社に納品するサプライヤーの協力なくして成り立ちません。事業を通してサステナビリティを推進する当社の考え方をサプライチェーンに広く共有し、相互の信頼のもとで協働体制を築いていけるよう、サプライヤー一社一社とのコミュニケーションを重視しています。

ゴールドウインサプライヤーサミット

当社では、主要サプライヤー（商社、素材メーカー）を一堂に会したミーティング、サプライヤーサミットを2年に1回、2日間の日程で開催しています。当社の代表取締役や各事業部長も参加し、初日は経営方針や事業方針を説明するとともに、2日目には自然のフィールドに出て、トレッキングやマリンスポーツなどを体験しながら実際に当社の製品を使用していただくなど、コミュニケーションをとりながらパートナーシップの構築に努めています。

2022年度は29社38名のサプライヤーが参加し、まずは富山県富岩運河環水公園で行われていた「PLAY EARTH PARK」を視察していただいたのち、富山本店においてミーティングを開催。翌日は立山町に移動しハイキングなどのアクティビティを体験しました。

取引先説明会

ゴールドウインのサプライチェーンに関するCSR体制について、取引先説明会を実施しています。ゴールドウインサプライヤー行動規範へのご理解と遵守をお願いするとともに、その背景や具体的な改訂事項を説明し、提出を求める書類等の実務的な内容についても解説しています。

2023年度は、調達方針の策定や、ゴールドウインサプライヤー行動規範の改定とそれに伴う書面監査項目の見直しを行っており、改定のポイントや、サステナブルなサプライチェーン構築に向けた当社グループの考え方などを、改めてご説明しました。説明会は、製造工場・商社・生産管理会社・資材関連会社などのサプライヤーから、対象企業453社に対して動画を配信する形で行いました。2023年7月末時点で134社が視聴するとともに、一部の工場へは、商社・生産管理会社の協力も得ながら理解向上に努めています。

主要サプライヤー（商社）との定例会議

当社では、主要サプライヤー（商社）とそれぞれ個別に月次定例会議を実施しています。品質・コスト・納期などについて情報交換するほか、その時々に発生している課題について話し合い、ともに解決していく場としています。継続的なコミュニケーションを重ねることで、連携を深め、より良いパートナーシップの構築に努めます。

当社では、サプライチェーンに関するCSR体制の強化に向けて、社内の調達関係者への教育を定期的に実施しています。2022年度は、サプライチェーンに関するCSR体制の推進にあたり、従業員向けに外部講師を招き、グローバル視点で見たサプライチェーンに対するサステナブルマネージメント、制限物質管理についてのセミナーを開催し、従業員の理解、意識付けを進めました。また、ゴールドウインサプライヤー行動規範の見直しや、現体制推進にあたってその内容や考え方を正確に伝え、取引先との窓口を務める上で適切な対応ができるよう、情報を共有しています。

下請法研修

公正な取引を実現するための法律、下請代金支払遅延等防止法（下請法）に関する社内研修を定期的に実施しています。下請法の目的や対象となる条件、親事業者の義務などとともに、発注書関連記載必須項目についても解説し、社内の担当者が発注にあたって法令遵守を徹底できるようにしています。