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2024年3月期 第2四半期実績のまとめ

2024年3月期第2四半期決算は、売上、利益ともに期初の見通しを上回る推移です。行動規制の緩和が進み、スポーツやアウトドアを楽しむ機会が増えるとともに、インバウンド需要が回復し直営・卸売りともに伸長し、売上高、営業利益、経常利益ともに過去最高となりました。
当社においては、業績に与える影響が大きい第3四半期(秋冬シーズン)の動向を見極めたうえで、通期見通しについて修正が必要と判断した場合は、速やかに開示する方針です。

売上高は期初見通しを上回る推移

スポーツ需要の高まりを受け、多くのブランドが増収基調です。なかでも、富士登山に代表されるような登山需要はコロナ禍前までに回復。登山需要の回復に伴いパフォーマンスアパレルだけではなくバックパックやシューズ、その他ギアなどの関連売上も好調に推移し、買い上げ点数の増加が売上に寄与しました。チャネル別では、直営店、卸先ともにインバウンドの回復に伴い実店舗への来店客数が増加しました。また、このように実店舗が好調な中にあっても、EC売上も前期比増収を達成しました。

第2四半期実績 (単位:百万円)

売上高 売上総利益 営業利益 経常利益 当期純利益
実績 51,096 25,959 6,070 9,180 7,323
対前年同期比 112.8% 112.9% 115.0% 123.2% 125.3%
売上高利益率
()は前期実績
50.8%
(50.7%)
11.9%
(11.6%)
18.0%
(16.4%)
14.3%
(12.9%)

売上高

営業利益

当期純利益

売上総利益率

第2四半期は長引く猛暑の影響を受け、夏物商材を長い期間適正な価格で販売することができたこと、セール販売の見直しを徹底したこと、販売価格の見直しを行ったにもかかわらず買い控えが起きなかったことなどにより売上総利益率は回復基調です。
割引販売が横行するアパレル業界において、お客さまとの信頼関係を構築することを最優先とし、お客さまに納得いただける価格設定を継続していく方針です。なお、通期での売上総利益率は、期初見通しの52.5%から変更せず、引き続き、外部環境の変化に対応できる基盤を構築します。

通期での売上総利益率52.5%の見通しは不変

1Q 2Q 3Q 4Q 通期
23.3期 実績 52.7% 49.0% 55.9% 49.0% 52.2%
24.3期 見通し 50.6% 51.0% E 56.5% E 51.0% E 52.5%
直近4期間平均 52.5% 50.4% 56.8% 49.3% 52.9%

(注)直近4期間は、2020年3月期~2023年3月期の4期間

販売費および一般管理費

J-ESOPの加算分として、期初見通しから人件費が10億円増加する見通しです。こうした経費増加分を増収効果によって吸収し、期初見通しの利益額の達成に向けて引き続き営業活動を進めてまいります。なお、設備投資計画は、概ね計画通りの進捗です。

主要論点

持分法適用関連会社であるYOUNGONE OUTDOOR Corporationが韓国で展開する「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」も好調に推移しています。特にZ世代と言われる若年層から支持されるなど、新しい顧客層の獲得が進んでいます。また本年9月には、Spiberとの共同開発である環境配慮素材「ブリュード・プロテイン™繊維」の量産化が始まりました。「ザ・ノース・フェイス」「ゴールドウイン(Goldwin)」などで人気の定番アウターをこの「ブリュード・プロテイン™繊維」でつくり、アメリカ、欧州、中国などで販売を開始しました。このような環境に配慮したウエアへの取り組みは、特に若い世代から高い注目を集めています。
これらの取り組みによって獲得したキャッシュは、次なる投資、また株主還元の両立を進めていく方針です。株主還元については、配当性向30%以上、総還元性向40%が達成できるよう、経営を進めてまいります。

※Brewed Protein™は、日本およびその他の国におけるSpiber株式会社の商標または登録商標です。