最新の決算のポイント Investors

2024年3月期第3四半期実績

2024年3月期第3四半期決算は、計画に沿って推移しました。2023年11月下旬までは例年よりも気温が高く、重衣料のなかでも、特に、ハイロフト商材の販売が低調でしたが、12月中旬からの気温の低下に伴い、これらの製品の店頭販売が回復しています。

実績のまとめ

昨年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行後、スポーツ・レジャーに対する機運の高まりが継続しています。なかでも、ラグビーワールドカップ2023などの国際的なスポーツイベントでの日本代表選手の活躍が、スポーツへの関心の高まりに寄与しました。また、コロナ禍で開催を見送っていた市民参加型スポーツイベントの再開が急拡大し、イベント需要とともに日々のトレーニング需要も回復しています。その結果、主力ブランドである「ザ・ノース・フェイス」だけでなく、他のアスレチックブランドも復調し、期初の見通し通りに推移しています。

売上総利益については円安による原価上昇に伴う販売価格の見直しを進めたことで改善しています。2024年春夏シーズンについても、昨年同様に価格見直しを行う予定です。なお人件費が計画を上回っていますが、広告宣伝費などの見直しを進めた結果、通期の売上高販管費率は40%の範囲内で推移する見通しです。

持分益に該当する韓国YOUNGONE OUTDOOR Corporationの業績は、持分益として計上される時期が7月~9月の期間となります。
この期間、暖冬の影響が一部認められたものの、マーケティング施策が功を奏し、売上高は計画を上回る推移です。

第3四半期実績 (単位:百万円)
売上高 売上総利益 営業利益 経常利益 当期純利益
実績 94,832 50,570 19,189 23,576 17,574
対前年同期比(累計) 109.3% 109.6% 105.0% 107.5% 108.0%
対前年同期比(四半期) 105.5% 106.2% 100.9% 99.5% 98.3%
売上高利益率
()は前期実績
53.3%
(53.2%)
20.2%
(21.1%)
24.9%
(25.3%)
18.5%
(18.8%)
四半期別売上高(前年同月比)

第3四半期における販売状況

ブランド別
「ザ・ノース・フェイス」では、暖冬の影響を受けつつも、アパレル商材が引き継き堅調な推移。
一方、ギア商材は昨年以降、低調な推移が続く。
チャネル別
直営店、卸ともに実店舗が好調に推移。
また、旺盛な来店需要の影響を受けつつも、EC売上も前年同期比増収を維持。
アイテム別
暖冬の影響が認められる中でもアパレルウエアは底堅い推移にあるが、一部のアウトドアギアに一服感が認められる。

四半期別の実績と推移

第3四半期は円安影響による原価率の改善が進んだことから、売上総利益率(3ヵ月)は56.3%と期初見通しに沿った推移。通期での売上総利益率52.5%の見通しは不変。

1Q 2Q 3Q 4Q 通期
23.3期 実績 52.7% 49.0% 55.9% 49.0% 52.2%
24.3期 見通し 50.6% 51.0% E 56.3% E 51.0% E 52.5%
直近4期間平均 52.5% 50.4% 56.8% 49.3% 52.9%
(注)直近4期間は、2020年3月期~2023年3月期の4期間

持続的成長に向けた取り組み

スポーツアパレル業界は急激な外部環境変化に対応していくことが求められます。なかでも地球規模での気候変動への対応は、環境課題を解決するための取り組みを行うのと同時に、変動する気候にいかに事業が対応し持続的に成長するかという二つの視点を持ち続けることも重要です。

持続可能なビジネスモデルの構築

当社では取引先と連携し、サプライチェーンの強化を進めています。これにより気候変動による需要予測への迅速な対応や、原料調達から製品化に至るまでの透明性の確保、新たな環境配慮素材をいち早く採用するなど、市場の要求に的確に対応していきます。

また、製品価格の上昇による買い控えや、その一方で起きている価格競争の激化に対しては、高付加価値製品の開発推進やサービス向上によりエンゲージメントを強化し差別化を図っていきます。

このように、様々な外部環境に起因するネガティブな影響を、中長期的にポジティブな影響に変化させていくことで、持続可能なビジネスモデルを構築し、企業としての持続的な成長に取り組んでいきます。